| おまかせ!ジュエリークリニック | |
コト的価値を売ることができるか |
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| ジュエリーのコト的価値の無限の広がりの可能性を知れば、ジュエリーこそこれからの時代の主役になりうる商品だと、改めて強く納得できるはずである。しかし、現実はまったく反対の様相を呈している。何故なのか。 それは、ジュエリーのコト的価値を追求し、理解し、顧客に伝えることが出来る力を持った宝飾店オーナー、販売員の絶対数が圧倒的に少ないからに他ならない(メーカー、卸企業のスタッフももちろん例外ではない)。 具体的に言えば、ジュエリーの素材、デザイン、加工に関する知識、経験が不足しているために、コト的価値に昇華できないのである。これは、ルビーやサファイヤがコンランダム系に属していることや、ルビーの最上品のカラーがピジョン・ブラッドだということは知っていても、自分の店にあるルビー・リングの美しさ、魅力を語れないということである。一般的な物差しでは一級品ではないかも知れない自店の在庫商品について、どこが良いのかを自分の言葉で話せない。 それはなぜなのか。 自分のなかで、そのリングがコト化されていないからである。自分の中で、そのリングでなければならない理由が、明確になっていないのである。 二年前、機会があって、日本の宝飾店の中で商品回転率トップ3の宝飾店オーナーと話すことが出来た。そこで、どういう方法で品揃えをすることで、高い商品回転率を維持出来ているのかを聞いた(バブル崩壊後のこれら三店の商品回転率は七回転以上)。 普通に想像することは、その店のオーナーには顧客一人一人の顔が見えていて、その一人一人の顧客の好みに合った商品を仕入れているのではないか、ということだ。しかし、そうではなかった。三店のオーナーが共通して答えられたのは、「自分が好きなジュエリーを選んでいる」ということだった。自分が良いと思うもの、自分が好きなものを選び、仕入れているということだった。 ここに本質がある。つまり、先の言葉で言えば、自分のなかでコト化出来るものを選ぶこと、これこそが重要なのである。これがなければ、ジュエリーはジュエリーたりえないのである。 この三店では、自店開発商品にも積極的である。自分の志向がしっかりしているから、メーカー、問屋の既製商品だけでは満足できないのである。リフォーム、オーダーにも積極的であり、顧客との接点を多面的に持つ努力を惜しまない。 本当は日本の一部の宝飾店も相当高いレベルに到達しているのである。 |