おまかせ!ジュエリークリニック



デザイン開発の体制をどう作るのか
 三の空枠は完全に市民権を得ており、製品としての完成度も高い。できればカタログではなく、シルバー・サンプルを少なくとも二〇点程度並べ、店頭で実際に石を当てはめてみたり、顧客に身に付けてもらい、細かい部分を修正していくことが出来ればもっと良いだろう。
 
 問題は四、五の方法である。オーダー、リフォームを実施している大方の宝飾店では、デザイナーへの発注経験をもっている。しかし、「希望どおりのデザインがなかなか上がってこない」、「こちらの要望を理解してもらえないことが多い」といった不満が多い。デザインの内容から、納期、価格まで、不満はさまざまだ。理由は宝飾店の方でもわかっており、要は双方のコミュニケーションがちゃんととられていないのだ。職人とのあいだでもそういう問題が多く、もっと互いに日常的に話し合いながら、一緒にものを作るベースが出来上がらないと、こういう問題はいつまでも解決しない。

 具体的には双方で業務提携等の契約を交わし、もの作りをする条件を明確にしながら、相手への理解を深めることが大切である。そうして具体的な事例を積み重ねることで、相互の信頼関係を作っていくことである。

 ただ、宝飾店からの発注頻度はオーダー、リフォーム専門店でなければ、そうあるものではない。そんなことから、なかなか契約を交わすところまで行きにくいというのが実態である。また、顧客のデザイン要望は多岐にわたり、デザイン・バリエーションもかなり広いことから、複数のデザイナーとのパートナー・シップも必要になる。しかしそうなると、ますます一人のデザイナーへの発注頻度は少なくなってしまい、しっかりした相互の取り組みができにくくなる。

 なお、日本カスタム・ジュエラー協会では、こうした問題を解決するため、複数のデザイナーを擁する信頼あるデザイン事務所と提携し、さまざまなデザイン・バリエーションを提供できるベースを確保している。デザイン事務所内には専用加工センターを設置し、デザイン対応を基本に、オーダー、リフォーム向けジュエリー製作全体の手伝いが出来るシステムを提供している。

 ジュエリーの生命線はデザインにあり、その重要性はますます強くなっている。顧客のデザイン要望のレベルも高くなっており、まずしっかりしたデザイン開発の方法を確保することが、オーダー、リフォーム対応の最重要テーマである。自店の将来のビジョンを踏まえながら、どういう方法をとるかを決定することが緊急の課題である。