おまかせ!ジュエリークリニック



空枠にも違いがある
 空枠にも違いがある。空枠そのものにも違いがあるし、使い方によっても違いが生まれる。その違いをどう生かしていくかで、空枠もまったく別ものになる。
 
 空枠そのものの違いでいえば、これから重要なことは、そこの空枠がどういう販売政策で売られているかである。どこの店にも、何の規制もなく売られている空枠であれば、それは量産品を価格競争で売っていた宝飾店の従来の売り方と何ら変わらなくなってしまう。そういう空枠では、わざわざオーダー、リフォームという手間のかかる仕事をしていくメリットがない。ただし、これでよいという顧客もいて、そういう顧客に提供していくには、これでも十分なのである。

 空枠デザインのオリジナリティも重要なポイントである。新しい空枠デザイン開発に熱心で、新型が絶えず提案される空枠メーカーと組んだ方がよいし、そのオリジナリティの質もチェックすべきである。ただしこの視点でみると、どうしても大手の方が開発点数は多く、デザイン選択の幅も広いということで、大手志向になってしまう。しかし、大手はどこにでも売る傾向が強く、差別化が出来ないという問題が一方にある。そのバランスで、取り引き先を選択しなければならない。

 使い方では、その空枠メーカーがどの程度まで細かなサービス体制をとっているかである。メレーの数を増やす・減らす、腕を少し太くする・細くするといった修正の要望に、ちゃんと対応してくれるかどうかである。

 例えば、こんなことがある。大体の空枠リングは十一〜十二番で出来ている。顧客があるデザインの空枠が気に入ったものの、その人のサイズが十八番だったとする。そうすると、そのまま伸ばすと、ほとんどの空枠の腕は先端が細くなりすぎ、バランスが悪くなってしまう。デザインとはある意味でバランスであり、これではデザインそのものが満足されなくなる。こんなとき、ワックスに遡って修正してくれるかどうか、である。すべてとはいわないが、明かにバランスが悪くなったと思えるものに、そういう対応をしてくれるか否かで、空枠はまったく違ったものになる。

 当然、石留め、仕上げ加工についても、細かな品質チェックが必要になる。ベーシックなデザインになればなるほど、これら加工の基本レベルが商品価値を左右することになる。

 空枠の使い方は、おそらくこれから二極分化が起きてくるだろう。付加価値を提供する差別化された空枠と、売れ筋を競争力ある価格で提供する空枠という二極化である。