おまかせ!ジュエリークリニック



リフォームと製品では顧客層が違う?
 「既製品の顧客がもう使わなくなったジュエリーをいくつか持って来て、これをリフォームしたいというケースは意外と少ない。既製品とリフォームでは顧客層が違うのではないか?」と指摘されるオーナーがいる。調べてみると、こういう感想を持たれている宝飾店は意外と多く、一般に「顧客の固定化」に力を発揮するといわれるリフォームだが、そうでもないのではないか?という感想をを持たれているようだ。

 もしそうなら、別に苦労してリフォームをやらなくてもいいということになるのだろうが、これはまったく違う。

 前記のような感想を持たれている宝石店に共通するのは、オリジナル・コレクションを持っていない、商品開発はおろかリフォームのノウハウがなく、問屋まかせでの対応しかしていない、つまり積極的に対応していないところである。顧客に、当店ではこういう対応が出来ますのでぜひお持ちくださいと日頃から説明し、実際に作ったものを見てもらうようなことをしていれば別だが、それをしていないのだから、顧客にもそういう要求が生まれないのは当然であろう。つまり、顧客の要望を作っていない結果なのである。

 製品販売だけでこれからも突っ走っていけるのなら、それはそれでいい。リフォーム、オーダーは時間がかかり、労働生産性ははっきり言って良くない。製品販売ほど簡単には儲からない商売である。

 しかしそこの店の顧客にも、製品を買うのは少し先にして、その前に、使わなくなったジュエリーを、それを買った店でリフォームしてくれたらありがたいのにな、と思っている顧客が多数いることを知った方がよい。そういう顧客は、店の方から積極的な提案がないために、いわゆるリフォーム専門店に持っていってしまっているのかもしれない。もしそうだとすれば、それは由々しき問題であろう。リフォームで、もしその顧客が納得できる仕上りのものを手にしていたら、その顧客はもう二度とその店には足を運ばなくなる危険性があるからである。それほどリフォームの良し悪しというのは、顧客満足度を根本から左右する力を持っているものなのだ。

 顧客層が違うのではない。顧客の要望を引き出し、対応していく体制が作られていないから、顧客が要望を出してこないだけなのである。実際、顧客の固定化がしっかり出来ている店では、リフォーム対応もしっかりやっている店がほとんどであり、顧客のあらゆる要望を引き出し、全方位で対応する努力をしている店こそ、顧客の固定化が実現できているのである。