おまかせ!ジュエリークリニック



オーダー、リフォームは儲からない?
 「儲かる」「儲からない」という言い方のなかで、「リフォームは儲からない」と指摘する宝石店がある。これは正確には「製品販売に比べて儲からない」ということなのだが、「では製品販売だけでやっていけるのか?」を考えなければならない。
 
 オーダー、リフォームの場合、一人の顧客にかかる時間は、製品販売の最低でも十倍は必要になる。粗利率は上がるとしても、販売効率としては良くて製品販売の1/5程度にとどまる。「儲かる」「儲からない」という言い方をすれば、確かに「儲からない」のがオーダー、リフォーム・ビジネスなのである。
 
 しかし、ここで考えなければならないことは、販売効率の良い製品販売だけで、これからずっとやっていけるのか?ということである。バブル崩壊後のこの十年弱にわたって、製品販売はこの上ない苦戦を強いられている。今後も強い追い風が吹くことはあまり期待できないというのが大勢の見方である。ならばどうするか?というところが問題の出発点なのである。
 
 ジュエリーは高い素材を使っている商品である。しかも、洋服ほどではないが、確実に「流行」がある。十年前に買ったリングは、残念ながら「古臭くて」使えないのである。それを何とかしてもう一度使いたいと考えるのは、素材の価値を知っているユーザーであれば当然のことであろう。そういうユーザーに対して、「当店ではリフォーム、オーダー対応は出来ません」というのでは、顧客満足という観点から見て、その店が完全に失望されることはあたりまえというべきであろう。
 
 指摘されるように「オーダー、リフォームは儲からない」。しかし、それをやることで顧客満足度がアップでき、そのことで顧客がその店で製品も含めて購入し続ける理由が出来あがるとしたら、その販売効率の悪さは一挙に違う次元の問題となる。オーダー、リフォームはそのように位置付けるべきものなのである。
 
 これからは地域のなかでの売上シェアを競う時代ではない。顧客のシェアこそ競うべき時代なのである。そのエリアのなかのどれだけの顧客を固定客として囲い込めるか、そういう戦いに入っている。そのとき、もっとも重要な指標となるのが「顧客満足度」である。
 
 細かい修理、メンテナンスから始まって、顧客のあらゆる要望に全面的に対応できなければ顧客満足度はアップしない。そういう戦いがすでに始まっているのである。「儲からないことはやらない」という考えでは、「儲かる」こともやれなくなるのだということを心して知るべきである。