おまかせ!ジュエリークリニック



必要な商品を探すネットワーク
 顧客が欲しいというジュエリーを探すネットワークがあれば、すべてを作らなくてもよい。どこに、どんなジュエリーがあるかをいつも情報としておさえ、探しているものを入手出来るルートを確保しておけば、作るよりずっと速く、しかも安く顧客に提供出来る。顧客にとってもそれは有難いことだろう。

 もともと宝飾業界には、業者間同士でものの情報をやりとりし、取引するネットワークがある。いわゆる「仲間卸」といわれるものだが、この問題点はさまざまな会社が取引に介在するため、ものの値段が高くなってしまうことだ。これからは、より近代的で、合理的なネットワークが、情報交換×商品取引のツールとして構築された方がよい。それを可能にする方法のひとつが「インターネット」である。

 障害となるのは、ジュエリー業界に根強くある「現物主義」である。実際にそこにものがなければ、実際にものを見て判断できなければ、商売は出来ないという考えである。ジュエリーが宝石という微妙な素材を用い、小さい世界に価値を凝縮している商品であり、しかも工業製品のようにスペックでは判断出来ない以上、こういう考えが出てきても仕方がない。しかしこういう考え方が、これからは自分の商品力を極端に狭くする危険性があることは自覚した方がよい。

 たとえばこういうやり方で現物主義は克服出来るだろう。まず最初にサプライヤー側が、画像付きの膨大な商品データ・ベースを作り、それをインターネット上に公開する。サプライヤー×宝飾店間で情報交換し、宝飾店は探している商品を検索する。該当商品に近いと思えるものが見つかったら、仮発注をおこない、宅急便で取り寄せ、現物をチェックする。それで問題がなかったら、仕入れるという方法である。

 つまり、最初はデータだけのやりとりをおこなうことで、膨大な商品情報をおさえ、自分が探している商品の精度を高めることである。最終的には現物をチェックすることで、商品の細かい確認が出来るようにすればよい。要は、最初から現物主義でいくと、極めて限られた商品の中から選ぶことしか出来ず、顧客の要望するものを十分に探せないのである。

 こういう構想はこれまでにも幾つかあったが、すべて途中で消えていった。理由はさまざまだが、根本的には業界に根強くある「現物主義」である。しかし、顧客が欲しい商品をきちんと提供していくためには、こういうネットワークが必ず必要であり、新しいものの流れが作られなければならない。カスタム・ジュエラーには必須のツールとなるだろう。