おまかせ!ジュエリークリニック



コンシューマーからカスタマーへ
 マーケティングの基本用語に変化が生じている。消費者や顧客を表す「コンシューマー」という言い方が後退し、代わりに「カスタマー」という呼び方が主流になっているのだ。

 大きな理由は、コンシューマーが「消費し尽くす」という意味を持ち、「一過性の」というニュアンスがあるのに対し、カスタマーには「繰り返す」「習慣」という意味があり、企業はそういうカスタマーこそ獲得していかなければならないという認識が強くなっているからである。
 顧客の固定化は、販売活動の基本として昔から言われている。しかし、近年そのことの重要性がさらに強調されるようになったのは、景気が後退し、売上の安定化を支えるために固定客の貢献度が大きくなっているからである。店についた固定客は、一見の新規客に比べて安定した買い方をしてくれる。この固定客をどれだけ抱え込めるかで、こういう時代はとくに、企業の安定度が変わってくるのだ。
 「売上シェアから顧客シェアへ」とも言われる。地域内の競争で、売上規模を争うことも重要だが、どれだけの顧客を自社のファンとして抱え込み、固定化出来たかを争うことの方が戦略として重要だというのである。店を例にすれば、その店で買うことがカスタム(習慣)化した顧客=カスタマーをどれだけ抱えているかである。

 カスタマーはさまざまな注文(カスタム)をぶつけてくる。ときにはクレームもあるだろう。理不尽な注文も言ってくるかもしれない。しかし、アメリカの驚異的に伸びているドラッグ・ストア「グリーン・ファーマシー」の社長の言葉を借りるまでもなく「Customer is always right (顧客はいつも正しい)」のである。すべては、ここから出発し、ここに帰着する。

 カスタム・ジュエリーのカスタムという言葉には、これらカスタムの用語の意味すべてが含まれている。顧客であり、習慣であり、注文である。

 二十一世紀の日本のジュエリー・シーンは、このカスタム・ジュエリーと、カスタム・ジュエラーを中心に動いていくだろう。まだ日本では始まったばかりであり、道は遠いようにも見えるが、ゴールは見えている。これからさまざまなノウハウが肉付けされ、中身の伴ったカスタム・ジュエリーとカスタム・ジュエラーが、少しづつ日本にも誕生してくることだろう。

 ともかくスタート・ラインに立つことである。あとは、全力疾走すればよい。